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飯田 芳久; 中土井 康真; 山口 徹治
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 24(1), p.53 - 64, 2017/06
東京電力福島第一原子力発電所において発生する汚染水処理二次廃棄物の長期的な保管のための技術的知見を蓄積することを目的として、東京電力から発表されている情報を汚染水処理二次廃棄物管理の観点でとりまとめた。そして、長期保管に際する保管容器の健全性に対する懸案事項として、塩化物イオン共存および放射線下でのステンレス鋼製容器の腐食、酸性条件および活性炭共存下でのステンレス鋼製容器の腐食、およびスラリーを収納した高性能容器(HIC)の放射線劣化を抽出した。
草間 義紀; 石川 正男
NEW DIAMOND, 21(3), p.24 - 25, 2005/07
JT-60などのプラズマ閉じ込め装置においては、プラズマ加熱を担う高エネルギー粒子の挙動に関する研究が進められている。これまでは、電場/磁場を用いたエネルギー分析器を利用して高速中性粒子のエネルギー分布を測定することから、高エネルギー粒子の閉じ込めに関する情報を得てきた。1990年代の後半に、シリコンなどの半導体を用いた放射線計測用検出器の発展として、耐放射線性に優れたダイヤモンドを用いた検出器(ダイヤモンド検出器)が開発され、トカマクプラズマ計測でも利用されるようになった。ダイヤモンドのバンドギャップは5.5eVとシリコン(1eV)に比べて大きいため、常温で使える利点がある一方、エネルギー分解能が劣る。そのため、使用にあたっては、エネルギー分解能を把握しておく必要がある。また、ダイヤモンド検出器は中性子に対して比較的高い感度を有する。そのため、JT-60ではポリエチレンと鉛で覆ってバックグラウンドの低減を図っている。このダイヤモンド検出器を用いて、JT-60の中性子発生環境で詳細な高速中性粒子の測定が可能となった。
玉田 正男
原子力百科事典ATOMICA(インターネット), 15 Pages, 2004/04
海水中のウラン濃度は3.3ppbであるが、資源として見た場合、その総量は410トンに達する。放射線グラフト重合法では、厳しい海洋環境にも耐久性があるポリエチレンに、その特性を損なうことなくアミドキシム基を導入することが可能である。この方法で作製した捕集材では海水との接触日数が20日間の場合、ウラン濃度は約1g/kg-捕集材で、60日間で2g/kg-捕集材であった。実海域での実験で、海水からイエローケーキ16kgを捕集した結果を受けて、現在、海水ウラン捕集の実用化の可能性を検討するため、1kgのウランを捕集するための試験装置が青森県むつ市関根浜沖合7kmの地点に設置されている。
前川 康成; 越川 博; 吉田 勝
Polymer, 45(7), p.2291 - 2295, 2004/03
被引用回数:8 パーセンタイル:28.48(Polymer Science)現在より10倍の密度で銅細線が存在する異方導電性膜の作製を目的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)イオン穿孔膜のサブミクロン以下の微細孔に銅細線を析出させることで銅/PET複合膜を作製し、その異方導電性を調べた。PET膜にXeイオンビームを照射後、NaOH水溶液でエッチングして孔径1.9m及び200nmの円筒形穿孔を作製した。穿孔内に硫酸銅水溶液を用いて電気化学的に銅細線を析出させ、PET/銅複合膜を作製した。直径1.9mの銅細線は波状の凹凸があり、直径200nmの銅細線では滑らかな表面を示した。穿孔膜断面の穿孔壁面より、銅細線は穿孔形状に正確に反映して析出されることが示された。4端子抵抗法により複合膜の抵抗を測定し、膜面に垂直な方向について計算値にほぼ等しい導電性が示され、膜面に平行な方向には導電性がないことで異方導電性が示された。
鈴木 直毅*; 平出 哲也; 斎藤 文修*; 兵頭 俊夫*
Radiation Physics and Chemistry, 68(3-4), p.647 - 649, 2003/10
被引用回数:23 パーセンタイル:80.7(Chemistry, Physical)1980年台からいろいろな物質中で低温で陽電子消滅寿命測定を行うとポジトロニウム形成が増加する現象が見られてきた。1998年、平出らはこれを低温で陽電子の照射効果によって形成される捕捉電子と自由陽電子との反応であると説明し、予測されるいろいろな現象を実験で確かめ、従来の間違った解釈を改めた。われわれはさらに、今回、予測されていた、遅れて起こるポジトロニウム形成を、陽電子寿命-運動量相関測定(AMOC)により確認することに成功したので、その結果について報告する。
Apel, P. Y.*; Korchev, Y. E.*; Siwy, Z.*; Spohr, R.*; 吉田 勝
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 184(3), p.337 - 346, 2001/11
被引用回数:475 パーセンタイル:99.96(Instruments & Instrumentation)電気化学的手法を利用して非対称構造を持つポリエチレンテレフタレートフイルムを調製することを目的に、一個のイオンを照射したフイルムを電解セルに固定、次いでセルの片側をアルカリ溶液(9M NaOH),その反対側を酸性溶液(2M KCl / 2M HCOOH)で満たした。アルカリエッチング反応の進行と共にイオン穿孔が形成され、最終的に、孔がフイルムを貫通した瞬間に両者の溶液が混ざり合い中和によって反応を停止させた。この操作によりエッチピットが数ナノメーターの孔径からなる円錐状イオン穿孔フイルムを得ることが出来た。非対照構造を持つイオン穿孔フイルムの特性を電気伝導度測定結果から評価した。
山崎 孝則*; 瀬口 忠男
Journal of Polymer Science, Part A; Polymer Chemistry, 39(13), p.2151 - 2156, 2001/05
ポリエチレン(PE)を化学架橋剤を用いて、熱化学法で架橋させるときの反応機構をESRで追跡し、解明した。金属の反応容器に焼き付くことを防止する薬剤(-メチルスチレン2量体)の影響を調べたところ、この薬剤は180以上で分解し、架橋を促進させることがわかった。
福本 雅弘; 西川 義朗*
JNC TN8400 2001-017, 355 Pages, 2001/03
TRU廃棄物処分研究における廃棄体中に含有される有機物の処分場の性能への影響評価の一環として、以下の7有機物について有機物の変質機構の中で重要と考えられるアルカリ加水分解の試験を行った。90C、91dまでのアルカリ加水分解試験の結果、各有機物が低分子量化し、有機物由来の分解物や変成物と推定される成分を溶液中に検出することができた。処分という長期間を考えた場合、各有機物は、今回確認したような分解生成物になると考えられる。確認した分解生成物を以下の各有機物の後に付記した。そのため、これら分解生成物についての放射性核種移行に与える影響評価が今後重要となる。(1)ナフタレンスルホン酸とリグニンスホン酸の混合系セメント用減水剤(ナフタレンジスルホン酸など)、(2)ポリカルボン酸系セメント用減水剤(末端メトキシポリエチレングリコールのオリゴマー)、(3)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩(EDTA)(EDTAから酢酸が脱離・環化した変成物)、(4)りん酸トリブチル(TBP)(DBP、n-ブタノール)、(5)ポリ酢酸ビニル(酢酸)、(6)ナイロン66(アジピン酸、ヘキサメチレンジアミン)、(7)硬化したエポキシ樹脂(グリセロールポリグリシジルエーテル、カルボン酸)
平出 哲也; 熊田 高之
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.541 - 544, 2001/03
被引用回数:17 パーセンタイル:74.85(Chemistry, Physical)ポリエチレン、ポリプロピレン等の高分子中で陽電子消滅寿命測定によりポジトロニウム(Ps)形成収率を測定すると時間の経過とともに収率が低下してくることが知られている。これは入射陽電子による照射効果であることがわかっているが、その機構は未解明である。この現象を詳細に研究し、照射による酸化、照射によるラジカル形成ともにPs形成収率の低下の原因でない可能性が高いことがわかり、照射による高分子の物理構造の変化、特に局所的な状態変化により起こっている可能性が高いことを示した。
玉田 正男; 笠井 昇; 瀬古 典明; 長谷川 伸; 武田 隼人*; 片貝 秋雄; 須郷 高信
JAERI-Tech 2000-072, 40 Pages, 2000/12
有用金属捕集材実海域試験装置のクッションブイ取付ロープの切断原因について検討し、その対策を記載した。クッションブイは捕集試験装置を固縛する枠ロープを海中2.5mの深さに保持する。全8個のクッションブイそれぞれに2本ずつ計16本あり、4か所でロープの切断が起きた。切断箇所のクッションブイについては、短い周期で水平方向の揺れや回転をすることが観察された。そのため、ロープの引っ張り疲労に加えて曲げ疲労を考慮し強度計算を行った結果、ほぼ切断に至ることがわかった。今まで用いていたポリエチレンロープに換えて、より曲げ疲労に対し優れた強度特性をもつナイロンロープを使用することとした。強度計算により、ナイロンロープの引っ張り及び曲げ疲労強度は2年間の試験期間中は切断の生じない十分な強度を有する。
松林 政仁; 吉井 康司*; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*
可視化情報学会誌, 20(Suppl.1), p.325 - 328, 2000/07
ポリエチレンシート(PE)とイメージングプレート(IP)を組み合わせて高速中性子ラジオグラフィに適用した。実験には東京大学高速中性子源炉弥生を使用した。1枚目のIP(IP-1)の前面にPEを配置しPE内で発生した反跳陽子をIP-1で記録するとともに、IP-1の後面に配置したIP(IP-2)に記録された画像を用いて線の補正を行った。実験の結果から、PEの厚さが40mと120mの場合でIP-1の画像を比較すると差は見られなかった。これは飛程以上の厚さの位置で発生した反跳陽子はIP-1に記録されないためと考えられる。また、IPの支持体として使用されているポリエチレンテレフタレート(PET)も水素を含有しており、IPを2枚直接重ねた状態ではIP-1のPETで発生した反跳陽子がIP-2に記録されることがわかった。これに対して、水素を含まないテフロンシートを2枚のIPの間に挟み込むことにより改善した。
毛利 智聡*; 竹村 守雄*
JNC TJ9450 2000-001, 96 Pages, 2000/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の最後の実験として、1992年6月末から約1ケ月間かけて、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施された新遮蔽材透過実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行された新遮蔽材透過実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。新遮蔽材透過実験は、高速炉の遮蔽合理化のための高性能遮蔽材料の開発に資する実験データを取得する目的で企画された。遮蔽材料として水素を含有し中性子遮蔽性能の優れた金属であるジルコニウムハイドライド(ZrH1.7)を対象とした。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ直後に、入射させる中性子スペクトルを模擬するスペクトル・モディファイア、およびジルコニウムハイドライド模擬多重層を設置した実験体系のもと、その後方で各種検出器を用いた中性子測定が行われた。ジルコニウムハイドライド模擬多重層は、既にTSFに存在していたジルコニウムスラブと、水素を含有するポリエチレンスラブを組み合わせて構成された。同様な実験測定がポリエチレンだけの厚いスラブについても実施された。広いエネルギー範囲にわたる中性子束の測定が全8体系で、また高速中性子のエネルギースペクトルの測定も大部分の体系で行われた。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団(現核燃料サイクル開発機構)との協力関係の一環として行われた日米共同遮蔽実験である。
藤田 玲子*; 中村 等*; 近藤 成仁*; 宇都宮 一博*
JNC TJ8420 2000-004, 41 Pages, 2000/03
乾式再処理技術の研究開発を進める際には、ウランやプルトニウム等を用いた試験の終了後に発生する使用済塩廃棄物を安全に保管することが重要である。そこで本研究では、乾式再処理試験で使用した塩廃棄物を安定に保管・管理する方法を検討するため、現状の塩廃棄物の保管・管理方法について調査した。溶融塩電解試験に使用した塩廃棄物を保管している研究機関に対する調査から、塩廃棄物は、ポリエチレン製ビニールで二重に包み、ビニールの口をビニールテープで封止して密封に近い状態にしたものをゴムパッキン付のドラム缶に装荷して保管していることがわかった。一方、模擬塩廃棄物を用いた保管試験から、温度および湿度は特にコントロールせず、外気とほぼ同じ状態にしても、多重シール性が確保できれば、塩廃棄物の長期保管ができる可能性のあることがわかった。なお、塩廃棄物が水分と接触すると吸湿し液体となる可能性があることを考慮し、あらかじめ高分子吸湿材を入れておくことが重要である。
幕内 恵三; 吉井 文男; Aranilla, C. T.*; Zhai, M.*
JAERI-Conf 2000-001, p.192 - 195, 2000/03
ポリエチレンオキサイド(PEO)やポリビニルピロリドン(PVP)水溶液の放射線照射でつくられるハイドロゲルは、不純物を含まず生体親和性にすぐれているが、脆弱であるという問題がある。海藻多糖類である-carrageenan(-CA)は、胞子野戦分解型のポリマーであるが、PEOやPVP水溶液に-CAを添加して照射すると、ポリマーの放射線橋かけを促進することを見いだした。-CAの主鎖切断ラジカルがPEOやPVPの側鎖切断ラジカルと結合すると推定される。-CAの添加でハイドロゲルのゲル強度が高まった。これらのゲル強度は-CAの添加量と線量に依存した。15wt.%のPVPハイドロゲルでは20kGyでゲル強度は10Nであったが、-CAを5wt.%添加したものでは140Nになった。-CA添加ハイドロゲルは、-OSO基があるため多量の水を吸収できるという特長がある。
高田 弘; 明午 伸一郎; 伊賀 公紀*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(3), p.307 - 315, 2000/03
核子・中間子輸送コードNMTC/JAERI97における20~100MeVのエネルギー領域の中性子弾性散乱の角度分布の取り扱いを1次のベッセル関数近似から光学ポテンシャルパラメータで評価したデータベースに基づくランダムサンプリング法に改訂した。この改訂したNMTC/JAERI97を用いて、鉄、コンクリート及びポリエチレンを用いた43及び68MeV準単色中性子の透過実験を解析した。このNMTC/JAERI97の計算は、測定された透過中性子エネルギースペクトルと良く一致する。そして、中性子減弱距離のC/E値を従来の計算に比べて顕著に改善した。また、計算結果は遮蔽体のビーム軸から離れた位置における中性子スペクトル測定値を良く再現する。さらに、光学ポテンシャルパラメータで評価した断面積を用いた計算は、系統式の場合よりも40MeV以下の中性子の透過をより良く再現する。
宇田川 昂; 瀬口 忠男
高分子論文集, 56(1), p.41 - 44, 1999/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Polymer Science)線照射した低密度ポリエチレンシートの酸化層の厚さを走査型超音波顕微鏡を用いて観察し、画像化した。シート断面の超音波画像は、線量率が低下するにつれてポリエチレンの表面からの酸化層が増大することを明瞭に映し出した。その値は理論値に一致しており、10kGy/hの線量率では0.11mmであった。
G.Wu*; 勝村 庸介*; 工藤 久明; 森田 洋右; 瀬口 忠男
J. Polym. Sci., Part A, 37(10), p.1541 - 1548, 1999/00
高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを、真空中において、室温~220C、室温~360Cの間で線照射し、架橋とガス発生の温度依存性を調べた。300Cまでは、架橋が優先し、ゲル化線量は高温になるにつれて低下した。架橋の確率の増加は、2重結合へのラジカルの付加が促進するためと考えられた。300Cを越えると、同一線量でゲル分率を比較すると、温度とともにゲル分率は低下し、360Cではゼロになった。分子量分布測定の結果、切断が促進されていることが示された。ガス発生の主成分は水素で、水素発生のG値は温度とともに大きくなり、発生量は線量に対して飽和する傾向にあった。C~C炭化水素の組成は、側鎖の構造に依存し、高温にすると不飽和炭化水素の生成が増大した。
貴家 恒男; 工藤 久明; 瀬口 忠男
Polymer, 40, p.5095 - 5102, 1999/00
被引用回数:25 パーセンタイル:68.21(Polymer Science)高エネルギーイオンを高分子フィルムに均一に大面積照射するチェンバーを設計・製作した。10cm10cmの線量計フィルムを用いて線量分布を計測したところ、きわめて均一に照射されていることが明らかになった。ポリエチレン(PE)、芳香族ポリサルホンPSF及びPESに対し10MeV陽子、20MeV He、220MeV Cイオンを照射した試料の引張り試験を行い、2MeV電子線照射の結果と比較した。脂肪族高分子であるPEのイオン照射による力学特性変化は電子線照射のそれと変わらなかったが、PES及びPSFでは線量当たりの機械特性変化が少なくなることが明らかとなった。照射温度による特性変化等を考察し、芳香族高分子では線質効果が現れやすいと結論した。
C.T.Aranilla*; 吉井 文男; Dela-Rosa, A. M.*; 幕内 恵三
Radiation Physics and Chemistry, 55(2), p.127 - 131, 1999/00
被引用回数:47 パーセンタイル:94.09(Chemistry, Physical)天然高分子のカラギーナン(KC)ゲルの耐熱性を圧縮試験によるゲル強度により評価した。KC水溶液は塩化カリの添加によりゲル化するが、ゲル強度は非常に弱い。このため、水溶液中でよく混合するポレエチレンオキサイド(PEC)との複合ゲルを照射により調製した。KCの単独の水溶液は照射により分解が起こるため、ゲル強度が低下するが、PEOを添加すると、10kGyに強度の最大値が現われる。この場合PEOとKCの割合は、等量が最も高いゲル強度を与える。このゲルを20分間オートクレーブ滅菌を行ったところ88%の強度を保持していた。以上の結果から、カラギーナン-PEOゲルが医用材料への応用が期待できるようになった。
吉井 文男; Y.Zhanshan*; 磯部 一樹*; 篠崎 琴彦*; 幕内 恵三
Radiation Physics and Chemistry, 55(2), p.133 - 138, 1999/00
被引用回数:163 パーセンタイル:99.54(Chemistry, Physical)ポリエチレンオキサイド(PEO)は水溶液中で照射すると橋かけが起きハイドロゲルになるが、1000%も水を含有するため非常にもろいゲルである。このためポリビニルアルコールを20%ほどブレンドするとPEOのゲル強度が増し、創傷被覆材に応用できるようになる。線量としては40kGyで70%のゲルになる。これを創傷被覆材として、モルモットの背部に径3cmの火傷をつくり回復性を観察した。比較品として滅菌ガーゼを使用した。ゲルの方が傷の回復が早く、傷口から容易にはがせるため痛みを与えないことがわかった。以上の事実から電子線橋かけPEOハイドロゲルは、湿潤環境をつくる創傷被覆材として有効であると結論できた。